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「中平卓馬 火―氾濫」展公式図録

東京国立近代美術館

作品集 展覧会図録 自社出版物

本書の概要

東京国⽴近代美術館で開催された、写真家・中平卓⾺(1938-2015)の20年ぶりの回顧展「火-氾濫」の公式カタログ。
同展は、⽇本の戦後写真史において⼤きな⾜跡を残した中平の初期から晩年にいたるまでの仕事を、5つの章に分けてたどった展覧会であり、
これまで展示機会の少なかった重要作も含む約400点の作品・資料から構成された、没後初となる大規模な回顧展として大きな注目を集めました。
 
本書は展⽰同様に「来たるべき言葉のために」「風景・都市・サーキュレーション」「植物図鑑・氾濫」「島々・街路」「写真原点」の5章からなり、
膨大な図版と解説文や論考とともに作家の活動が編年順に紹介されています。
加えて、年譜、著作文献・関連文献一覧など充実した資料篇を巻末に収録。
中平卓馬を知るための必携書であるだけでなく、その活動の基盤となった時代をも知ることのできる保存版書籍と言えます。
 
 

ポイント1: 初期から晩年までの全貌を知る

1964年に初めて雑誌掲載されたモノクロ作品から、晩年の2010年代に沖縄で撮影したカラー作品に至るまで、本書では約700点にのぼる図版を約400頁にわたって収録、
膨大なイメージを通して、中平卓⾺の写真の変遷をたどります。
 

 
 

ポイント2: 雑誌メディアを重要視

「火-氾濫」展の大きな特徴のひとつは、1960-70年代の中平卓馬の主戦場であった雑誌そのものを多数展示することで、中平の初期の幅広い活動のありようを見せることにありました。
本書でも、それら現在では入手困難な雑誌や写真集の現物を見開きで複写し多数収録。デザイン等も含め、発表当時そのままの誌面をリアルに感じていただくことができます。
 

 
 

ポイント3: 作品の多様な展示方法

「火-氾濫」展では、48点の写真からなるインスタレーション作品《氾濫》、晩年の個展「キリカエ」で展示された64点の大型作品、これまでに展示機会の少なかった貴重なプリントを含む多くの作品が展示されました。
海外で現地制作・展示された作品をはじめ、中平卓馬の展示における試みも知ることができます。本展会場での展示風景写真も収録。
 

 
 

ポイント4: ⾔論活動にも注⽬

中平は活動の初期から、写真のみならず批評家として多数の文章を発表したことはよく知られています。
理論と実践を往還しながら深められた表現に迫るべく、雑誌や書籍に掲載されたテキストも高精度な印刷技術(FMスクリーン)により、できる限り読めるように紹介しています。
 

編集 東京国立近代美術館、黒川典是
アートディレクション・デザイン 森大志郎、小池俊起
執筆 増田玲、松田貴子、小林紗由里、倉石信乃、八角聡仁、マシュー・S.ウィトコフスキー  
撮影 中川周
発行 ライブアートブックス(大伸社)
判型 A4変形・ソフトカバー
ページ数 496P
初版発行日 2024年3月31日
再販版発行予定日 2024年10⽉末予定

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