UPCOMING EXHIBITION

吉田志穂 印刷と幽霊

2025年3月14日(金)— 4月5日(土)

© Shiho Yoshida, Courtesy of Yumiko Chiba Associates

吉田志穂 印刷と幽霊
会期:2025年3月14日(金)— 4月5日(土)
*火・水はアポイントメント制 infolag@daishinsha.jp
*3月16日(日)13:00 – 20:00 ”GAIEN-NISHI ART WEEKEND”に合わせて特別OPEN
営業時間:13:00–19:00 *定休日:日、月、祝日
会場:LAG(LIVE ART GALLERY)
〒151-0001 東京都渋谷区神宮前2-4-11 Daiwaビル1F
協力:Yumiko Chiba Associates、小池俊起

この度LAGでは2025年3月14日(金)より4月5日(土)まで、吉田 志穂の個展『印刷と幽霊』を開催いたします。
吉田はこれまで、主に写真プリントやプロジェクター投影により生成したイメージを、インターネット上で取得した様々な画像情報と組み合わせ、多層性を持つ独自の風景写真を制作してきました。
24年秋に八重洲のアートセンターBUGにて開催された個展では、これまでの活動に続く新たな試みとしてオフセット印刷機を使用し、意図的に生じさせた「予期せぬエラー」によって汚れた作品を⼤量に印刷、それらを用いた壮⼤なインスタレーションを築き上げました。今回、そこで作品として展⽰された印刷物を特装本化し、LAGにて出版記念展覧会を開催いたします。本展では、特装本自体を作品として展⽰する他、BUGでの展⽰内容をLAGの空間へサイトスペシフィックに転換、新たなインスタレーションを提⽰します。この機会に是非ともご高覧ください。

 

—Artist Statement—

昨年、BUGで開催した展⽰では、オフセット印刷機を使い、⼤量に複製したイメージを取り入れたインスタレーションを制作しました。床に山積みになり、壁を覆うように貼り付けられた無数の印刷物は、それが「写真」なのか「ただの紙」なのか、その境界をあえて曖昧にしながら、「見える/見えない」のあわいを浮かび上がらせます。印刷機のエラーによるインクのにじみや擦れ、紙の折れや重なりといった物理的な“逸脱”は、この曖昧さをさらに増幅させる重要な要素でした。そして、この空間で生まれた偶然の痕跡を一冊の写真集として定着させようと考えました。印刷の過程で生じたズレやエラーを、そのまま紙面に取り込み、束ねられたページへと再構成することで、新たな視点を探る“装置”として物質化する試みです。展⽰空間で体験された感覚を本という形に落とし込むことで、その可能性にあらためて向き合うきっかけが生まれることを願っています。

吉田 志穂

RELATED EXHIBITIONS|

関連展覧会

 

吉田志穂「ハルシネーション」

会期:2025年3月15日(土)— 5月10日(土)
営業時間:12:00 – 19:00
会場:Yumiko Chiba Associates
オープニングレセプション:2025年3月15日(土)17:00 – 19:00
詳細:https://ycassociates.co.jp/

BOOKS|

書籍情報

 

吉田志穂『印刷と幽霊』


24年秋にアートセンターBUGで開催された展覧会『印刷と幽霊』にて、吉田志穂はオフセット印刷機を用いて意図的に生じさせた「予期せぬエラー」によって汚れた作品を⼤量に印刷、壮⼤なインスタレーションを築き上げました。
今回、BUGでの展覧会に深くコミットしたデザイナー小池俊起の構想とデザインに基づき、ライブアートブックスが展⽰作品としての印刷物を特装本化、一冊ずつ異なる表紙と丁合で構成された重量感のある⼤型本を制作しました。

発売日:2025年3月14日
本体価格:60,000円(税別)
限定数:23
デザイン:小池俊起
印刷/刊行:LIVE ART BOOKS
特別協力:BUG, Yumiko Chiba Associates
*BUG展覧会風景+小林紗由⾥⽒(東京国⽴近代美術館研究員)によるテキスト付属
*作家サイン/エディションNo. 入り
*アクリルケース付属

>> ONLINE SOTRE

PROFILE|

プロフィール

 


 

吉田 志穂 Shiho Yoshida

1992年千葉県生まれ。東京都を拠点に活動。2014年東京工芸⼤学芸術学部写真学科卒業。主な展覧会に、「印刷と幽霊」(BUG、東京、2024)、「この窓から見えるものが変わったとしても」(写⼤ギャラリー、東京、2023)、「記憶は地に沁み、風を越え 日本の新進作家 vol.18」(東京都写真美術館、2022)、「あざみ野フォト・アニュアル とどまってみえるもの」(横浜市民ギャラリーあざみ野、神奈川、2021)、「TOKAS-Emerging 2020」(トーキョーアーツアンドスペース本郷、東京、2020)など。第11回写真『1_WALL』グランプリ受賞(2014)、第11回 shiseido art egg(2017)入選、Prix Pictet Japan Award 2017ファイナリスト。写真集『測量|山』(T&M Projects)などで第46回木村伊兵衛写真賞受賞(2020-2021年度)

TALK EVENT|

トークイベント

 

登壇者:吉田志穂、梅津元(批評家/キュレーター)
日時:2025年3月21日(金) 19:00 – 20:30
会場:LAG(LIVE ART GALLERY) ACCESS
料金:¥500.- 事前予約制:お申し込みはこちら
定員:35名

 

[ゲストプロフィール]
 

 

梅津元 Gen Umezu

1966年神奈川県生まれ。批評家/キュレーター。1991年多摩美術⼤学⼤学院美術研究科修了。モダニズム以降の芸術の可能性を探るため、美術、写真、映像、音楽に関わる執筆や企画を中心に領域横断的な活動を展開。主な企画:「DE/construct: Updating Modernism-阿木譲をめぐる3つのプログラム」NADiff modern & SuperDeluxe(2014年)、「トランス/リアル-非実体的美術の可能性」ギャラリーαM(2016-17年)、「樋口朋之 DUB/stance」The White(2024年)。埼玉県⽴近代美術館学芸員(1991-2021年)としての主な企画(共同企画を含む):「〈うつすこと〉と〈見ること〉-意識拡⼤装置-」(1994年)、「ドナルド・ジャッド 1960-1991」(1999年)、「プラスチックの時代|美術とデザイン」(2000年)、「DECODE/出来事と記録-ポスト工業化社会の美術」(2019年)など。